[東京 7日 ロイター] 草野グローバルフロンティア代表取締役、草野豊己氏は、ロイターの緊急インタビューに対し、ギリシャの財政危機はギリシャ国債を保有する金融機関のリスクにつながることで、ソブリン?リスクと金融システムリスクが共鳴しながら問題が拡大するリスクを指摘した。
一方で、米国では金融マーケットで懸念される金融規制強化 arad rmt
の動きが進んでおり、マーケットの混乱要因が錯そうするなかで、レバレッジで膨れ上がった金融機関のポジションが混乱を拡大させる可能性があるという。
インタビューの一問一答は以下の通り。
──ギリシャ問題の先行きをどうみるか
「1100億ユーロの支援ではギリシャ問題は解決しない。支援の代わりにギリシャは緊縮財政を強いられ、
公務員給与の削減や増税で消費は低迷する。ギリシャ景気の悪化で財政健全化計画は遂行できない。ギリシャ支援は、債務再編への第一歩だ。いずれ事前調整の破たんに至るとみている」
「ギリシャ問題を解決する方法は、3つしかない。第1は欧州の危機解決システムを構築することだ。マーストリヒト条約を破棄し、互いに財政支援をしあう仕組みを作れば
いい。第2は、財政政策の一体化だ。各国共通のユーロ債を発行することだ。第3は欧州域内の経常赤字/黒字を解消し、不均衡を是正することだ」
「しかし、いずれもハードルが高い。実行はできないだろう。ユーロの解体が視野に入る。ユーロが反発する見通しはたたない。もともと、構造的にユーロは無理だった。ユーロが不安定化すれば(ユーロ建て資
産の不安定化を通じて)金融システムリスクにつながる可能性がある」
──ソブリン?リスクと金融システムリスクの先行きは
「これまでの経緯をみていると、問題は3カ月ごとに噴出している。1─2月には欧州ではギリシャ問題というソブリン問題が浮上し、米国ではボルカー?ルールなどの金融規制が懸念された。4─5月にはギリシャ問題が欧州周
辺国に広がり、米国ではゴールドマン?サックス問題が浮上して金融規制の動きを強めている」
「今後、7─8月には、欧州ではポルトガルだけではなくスペインのソブリン?リスクが問題になり、米国ではゴールドマン?サックスの問題が他の金融機関に広がるだろう。10─12月にはソブリン?リスクがイタリアに広がり、ボルカールールなど厳格な金融規制
が実現に向けて動くだろう。その先にはヘッジファンド規制もみえてくる」
「欧州各国の国債発行残高は、ギリシャを100とすればスペインは160、イタリアは500だ。救済しようとすれば、支援規模はPIGSだけで5000億─1兆ユーロに膨れ上がる。ドイツやフランスはそれだけの負担に耐えられるのか」
「レバレッジで膨れ上がった金融
機関の自己売買部門やヘッジファンドのポジションがこれらのリスクに振りまわされる。問題が起きるたびにハイブリッド?ブック(さまざまな資産を組み合わせたポジション)が急激に収縮することで、混乱はさまざまな市場に一斉に広がる」
──米国発の金融危機とソブリン?リスクの相似性
「欧州中銀は、ギリシャ国債に対して適格担保基準をはずし
、たとえジャンク級まで格下げされても担保として受け入れると決めた。これは、GSE(政府系住宅金融機関)の苦境を救うため米連邦準備理事会(FRB)がGSEの発行したMBSや社債を買い入れたことと構図は同じだ。当時FRBは信認がき損するとして攻められたが、今回はECBの信認がき損する。ユーロは売られる」
「一方で、ギリシャのほか
、ポルトガルやスペインなどの格下げが続いているが、これには米国発の金融危機が影響している。証券化商品や金融機関の格付けをタイムリーに引き下げなかったことが危機を深刻にしたと格付け会社が攻められた。この教訓が今回の格下げを急がせている。欧州各国の国債が売られれば、これを保有する金融機関を通じてシステム?リスクが浮上する」
(ロイ
ター日本語ニュース 松平陽子)
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引用元:ローズ(Rose) 専門サイト
DDR266
11 年前
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