7月4日、原宿クエストホールにて、アニソンシンガーを集めたライブイベント「Anime Songs Night in Harajuku? Jump to the world ?」が開催された。日本の音楽文化を世界へ発信することを目的とする、東京国際ミュージックマーケット(TIMM)が主催するこのイベント。人気アニソン歌手を集めたイベントと言うだけではなく、世界中で注目を集めるアニメ、アニソンを
rmt CABAL 文字通り原宿から世界へダイレクトに届けるべく、2ステージ制のうち第2部の内容を、USTREAMにてライブ配信。またフランス?パリで開催中の日本ポップカルチャーイベント「JAPAN EXPO」へも、生中継配信された。
この生配信が行われた第2部の模様を中心に、ライブリポートをお届けしよう。
●ガールズ?ビッグバンドが世界に向けて名刺代わ
りの「度肝抜き」アクト
日本から世界へ、そのライブ配信のトップバッターを飾ったのは、スタジオジブリ作品など多くのアニソンをカバーする、女性11人によるビッグバンド、TOKYO BRASS STYLE。ホワイト&ピンクラインの制服で統一、ただしニーソックスだけは11色! アニメなどと同様に日本から発信されている「カワイイ」コスチューム?シーン
的にもバッチリなビジュアルながら、何より圧巻なのはその演奏スタイルだ。ブラスバンドのフル編成から繰り出されるパワフルな音色とそのテクニックは、いわゆる「アニソン」を期待していたであろう観衆&視聴者の度肝を、いい意味でブチ抜いたはずだ。
「魔訶不思議アドベンチャー」「キューティーハニー」「残酷な天使のテーゼ」「となりのトト
ロ」と、誰もが知っているアニメソングをメドレーで一気にアクト。しかも曲と曲の間に切れ間もなく、ノリながら聴いているうちにいつの間にか楽曲が変わっているという驚きのアレンジとなっていた。あの緩やかで楽しげな「トトロ」が、アレンジ次第でここまで変わるものか!? 何が飛び出すか分からない、日本アニメ?ポップシーンを象徴するようなオープニン
グアクトだ。
なお、この日の第1部のトップはWater Rat Back。こちらはヘヴィメタルに近いゴリゴリのロックバンドとなっており、いきなりヘッドバンキングも飛び出す、やはり「度肝抜き」のユニットだ。
他に第1部のみ登場のシンガーとしては、声優活動と同時に、アニメソングに留まらないシンガー活動を展開する牧野由依も登場した。第1
部?5番手に登場した牧野は、ステージ上におかれたピアノによる弾き語り「シンフォニー」(アニメ「ARIA The ANIMATION」挿入歌)を披露する。ロック調、激しい曲が多めのステージの中で、ピアノの優しい音色と透き通る声のみで聴かせるステージに、観衆も静かに体を揺らし聞き入っていた。
2曲目「ふわふわ?」は、今年3月に発売された最新シングル
。弾き語りではないもののピアノの旋律が印象的な、緩やかな楽曲だ。語りかけるような、ささやくような歌唱の、タイトル通りの柔らかさを持つ楽曲には、自然とフロアから手拍子が合わされる。またサビの部分で牧野が大きく手を振るアクトを見せると、会場も同じように片手を大きく振り応えていた。
ラストナンバーは「アムリタ」。アニメ「ツバサ?
クロニクル」挿入歌にして、劇場版「ツバサ?クロニクル 鳥カゴの国の姫君」EDテーマとなった1曲だ。そして牧野の記念すべきファーストシングルでもあるスローバラード。この自身にとって大切な楽曲を再びのピアノ弾き語りでたっぷりと聴かせ、オーディエンスをファルセット?ボイスに浸らせた。
第2部リポートに戻ると、TOKYO BRASS STYLEに続い
て登場したのはDaisy×Daisy。ヴォーカル?MiKAのソロ?ユニットだが、「原宿発」と言ってもいいだろう、パンキッシュ?ロリータ衣装での登場はインパクト抜群。T.M.Revolutionこと西川貴教に見いだされデビューしたという経歴からも分かるように、1曲目「Brave your truth」(アニメ「鋼殻のレギオス」OP)はテクノ?サウンド全開のアッパーチューンだ。
ま
た、「カワイイ」衣装とのギャップも感じるのが、そのかっ飛んだMCだ。「Brave your truth」を歌い終えるや自己紹介へと移るが、「言葉で言っても覚えてもらえないと思うんで……(カメラに向かって)ズームして? 腕に油性マジックで、名前書いてきた!」。その腕を掲げて「ほら! ほら!」とフロア、そして世界中に見せつける超ハイテンションなトークにつられ
て、ファンからも大歓声がわき上がる。楽曲中の煽りも「おら! 飛べ飛べ!!」とやたらに荒々しかったりと、「ゴス」ではなくまさに「パンキッシュ」な個性を振りまいていた。
続けて「higher self」、「Dream Road」と2曲を披露、透き通るファルセット?ボイスとアッパーなサウンド、そしてステージ狭しと走りまくるアクトで沸かせたライブとなった。
●実力派シンガーが続々と登場!
すっかり上がったステージを引き継いだのは本日唯一の男性シンガー、喜多修平。アニメ専門チャンネル?アニマックスの公開オーディションで優勝を飾りデビューした喜多だけに、楽曲もアニソンが中心かつ歌唱力も折り紙付き。赤と白のストライプ?ライトを浴びながら、デビュー曲でもあるロックサウンド
「Breakin' through」(アニメ「ペルソナ?トリニティ?ソウル?」OP)を熱唱。
が、続く2曲目はバラードナンバー「一斉の声」(アニメ「夏目友人帳」OP)を歌い上げ、自慢の声をたっぷりと堪能させる。ラストナンバー?3曲目は「Secret Garden」(PSP用ソフト「乙女的恋革命ラブレボ!! Portable」OP)は、自身初となる作詞作曲にも挑戦した意欲作。こちらは
自然とクラップも発生した、ギター?リフが心地よい爽やかなロックナンバーとなっていた。
オープニングからハイテンポな楽曲が多く続く中、続いて鳴り響いたイントロは「HIKARI」(アニメ「隠の王」ED)。そう、ELISAの登場だ。美しいピアノの前奏と美しく綴るバラードナンバーで、打ち振られていたサイリウムもすっかりヨコ揺れに。
ELISA「皆さん、こーんばーんわー!」
ファン「こーんばーんわー!!」
ELISA「ボンジュール!」
ファン「ボンジュール!!」
ELISA「あとね、ウィーン!」
ファン「……???」
ELISA「え? えっ? 違うの? ウィーン。わ、凄い。始めてこんなグダグダになりました(笑)」
歌い終えての挨
拶では、独特の不思議な感性でファンを混乱に巻き込んでいくELISA。どうやらオーストリアの首都?ウィーンを「フランス語の挨拶的な何か」だと思い込んでいたようだ。
ELISA「ボンジュールと同じにおいがしたので。違うみたいですね?」
続くMCでも不思議な世界は続く。
ELISA「待ち時間の間、楽屋で『ゼルダ』やってたんです。……
今ゲームボーイ?アドバンスにはまってて」
ファン「ええぇっ!?」
ELISA「ELISAを電車とかで見かけたら通信対戦して欲しいので、みんなもアドバンスと対戦ケーブル買っておいてください」
ファン「えええぇっ(笑)」
DSではなくまさかのアドバンス?アピールから、「しっとりとした曲の次は、盛り上がる曲を!」ということ
で、「Real Force」(アニメ「とある科学の超電磁砲」ED)へ。人気アニメの人気楽曲が飛び出したことで、フロアも我に返って不思議空間から脱出。即座に臨戦態勢へと戻り、大コールに加えてモッシュにも近いジャンプを繰り返す一団まで現れた。
●配信ラスト&イベントラストも実力派が締める
本日の海外へのライブ配信分、その最後のシンガ
ーとなるのは米倉千尋。数多くのアニソン楽曲を提供する実力派の登場で、更に会場はヒートアップする。
登場と同時に鳴り響いたのは「WILL」(アニメ「仙界伝 封神演義」OP)。米倉の楽曲にはそれぞれにファンも多いが、中でもとくに人気の1曲を自身のオープニングに選曲し、会場のボルテージも更に増す。シンガーとしてのキャリアも、本日登場し
たアーティスト達の中では群を抜くだけに、そのライブアクトも完璧だ。
米倉「(カメラに向かって)フランスの皆さん、ボーンジュール! アニメソングを通して世界の人たちと繋がって行けたら、本当に幸せなことだと思います。そんな気持ちを込めて……映るでしょうかね?」
こういってカメラに向かって指を差し出すと、なんとネイルがトリ
コロール?カラーに。この粋な計らいに会場からは大拍手が巻き起こるが、照れ隠しなのか「ちっちゃなことからコツコツとね?」とおどけてみせる。
続けて自身も上海万博にてライブを行ったこと、アニメソングを通して世界中が楽しめれば、との思いを語り、続けて2曲目「Butterfly Kiss」(アニメ「RAVE」OP)、立て続けに「嵐の中で輝いて」(OVA「機
動戦士ガンダム 第08MS小隊」OP)を披露。なおこの日の第1部にも米倉は出演していたが、その際には「Butterfly Kiss」に代わり、「08小隊」EDテーマである「10 YEARS AFTER」が歌われていた。他にもELISA、喜多修平も一部、第1部と第2部でセットを変えてのライブになっており、両方参加するファンも多かったが各アーティストの様々な曲が楽しめるような構成と
なっていた。
この米倉のライブをもって、海外配信パートは終了に。しかしイベント自体は続き、ラストステージを務めるKalafinaが登場。どこか異世界めいた楽曲を多数提供するユニットだからか、ステージ上のスクリーンには幾何学模様を描いた美しい映像も投影される。
劇場版アニメ「空の境界」シリーズ7部作へ楽曲を提供するために結成
されたというKalafinaだけに、トップナンバーはインスト曲「overture」から繋ぐ「oblivious」(「空の境界 第一章 俯瞰風景」ED)。ユニットの原点にして代表曲からのライブスタートだ。
高く透き通るようなWakanaと、低音域をしっかり聴かせるKeiko、そしてふたりの声色を繋ぐHikaruのヴォーカル。この日の他のアーティストとはまったく異なる、という
よりも似ているアーティストを探す方が難しい、独特の世界を歌声で作り上げていく美しいステージだ。
前述のように「空の境界」のために結成されたKalafinaだが、予想外の人気にシリーズ終了後も活動を決定、そして提供されたのが2曲目「Lacrimosa」(アニメ「黒執事」ED)だ。バラードと呼ぶほど緩やかでもなく、ポップスでもロックでもない、
「Kalafinaらしい曲」という表現がしっくりするナンバーに続き、「光の旋律」(アニメ「ソ?ラ?ノ?ヲ?ト」OP)へ。これまたKalafinaらしい曲調ながら、前2曲とも異なるアイリッシュ?フォーク調の優しげな旋律でライブを締めくくった。
※文中敬称略
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